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初心者には判りにくいiDeCo(イデコ)、節税効果もある個人型確定拠出年金

こんにちは。皆さんは老後の資金について日々どの様な取組みをされていますか?
企業にお勤めの方であれば厚生年金をベースに、銀行での貯蓄、生命保険、株式や外貨・・・等々沢山の選択肢の中からご自身にあったポートフォリオを形成されていると思われます。

今回は、2017年1月に改正・拡充された「個人型の確定拠出年金」のiDeCo(イデコ)をご紹介いたします。

「確定拠出型年金」「401K」などという言葉をお聞きになったことがあると思うのですが、iDeCo(イデコ)もこの様な年金の仕組みの1つです。様々な老後資金プランの中でも比較的自由度が高く節税効果も期待できる年金制度ですので、今後のプランの1つとして検討されてみては如何でしょうか?

1.日本の年金制度、確定給付年金と確定拠出年金の違いについて

まず、ご存知かもしれませんが日本の年金制度についておさらいです。よく「年金は3階建て」等という話しをされますが、これはベースとなる国民年金をベースに3つの年金から構成されているので、この様な言い回しがされます。

1階部分である国民年金は20歳以上の全国民が加入する年金で、加入期間に応じて受給される金額が決まります。平成29年4月分からの年金額 779,300円(満額)です。これは20歳から60歳までの40年間保険料を納付し65歳から受給を開始した場合の金額です。月額に換算すると64,941円になります。ただし、ポイントとしては「40年間納付」「65歳から受給開始」でないと満額は貰えません。保険料の納付期間が短かったり受給開始時期を早めたりすると減額されます。
現在の年金額をベースに自分は伊倉の年金が受給できるか計算できるサイトがありますのでこちらのサイトでシュミレーションしてみると判りやすいと思います。こちらのサイトは「物価スライド」という掛け目があるので将来を予測して計算してみても面白いかもしれません。

出典
Keisan(老齢基礎年金の計算)

2階部分は「厚生年金(民間のサラリーマンや公務員等)」と「国民年金基金(自営業やフリーランス)」があります。こちらは国民全員が同じではなく利用する制度も職種によって若干異なります。厚生年金保険は強制加入ですので会社勤めしている方は必ず加入する事になっていますが、国民年金基金は任意加入となっています。
ですので、自営業の方等は1階部分の国民年金のみ加入し国民年金基金には加入していないというケースもあります。国民年金基金に加入すると毎月の掛け金が負担となりますが当然将来受給できる年金は増額します。自営業やフリーランスの方は収入が安定しにくい方もいるので任意選択となっていますが、医療が発達して平均寿命も延びてきている現代ですので加入を検討する方も増えてきているのですが、国民年金基金は予定利率(将来貰えるであろう年金額の利率)が低く、経営者であれば「小規模企業共済」という制度と比較する等選択肢が増えるため、なかなか加入者が増加しない状況にあります。

最後に3階部分の「確定給付企業年金」があります。こちらは、企業が独自に運営する制度ですので企業によって制度の有無や内容がそれぞれ異なります。大半の場合は、こちらの制度がある場合、高額な年金が給付される傾向が強く公務員の場合は年払い退職給付が受けられる仕組みとなっています。
ですので、老後の貯えを増やすためにと個人が企業年金を望んでも企業年金を運用していない会社では加入できない状況でした。
こちらを補う形で登場したのが「確定拠出年金」です。確定拠出年金は個人として3階部分の年金の積立を行い将来にそなえる制度です。

確定給付年金と確定拠出年金の違いは、名称そのままではありますが確定給付型年金は従来企業年金で運用されていた仕組みで、掛け金の額や納付期間等、運用を委託している企業(保険会社や金融機関)の結果によって若干変動はありますが、将来受給できる年金額はある程度保証されています。
これに対し確定拠出年金は、毎月の掛け金が決まっており(手続きによって変更可)掛け金の運用は個人が行います。ですので運用が上手ですと将来受け取れる年金が増えますし悪い結果では減額されてしまうというケースもあります。

2.確定拠出年金(DC/401K)とiDeCo(イデコ)は何が違うのか??

新たな年金の3階部分として登場した「個人型確定拠出年金」。こちらの制度は2001年度から国の年金制度として誕生しました。しかし、個人で積立して個人で運用するので立ち位置としては、公的年金というより私的年金に大別されます。

登場当初は、「DC(Defined Contribution Plan)」とか「401K(ヨンマルイチ ケー)」等と呼ばれていました。実は、DCも401Kも確定拠出型年金の愛称で制度としては全く同じものでした。では、この度誕生した個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)も同じなのでしょうか?見解としては大別としては同じですが、確定拠出年金には「企業型」と「個人型」があり個人型確定拠出年金の愛称がiDeCo(イデコ)という事になります。
個人型確定拠出年金の制度自体は以前からあったのですが、2017年1月に改正・拡充された影響で証券会社が様々なキャンペーンや宣伝をしているのです。
今回改正・拡充された大きなポイントは「対象加入者の大幅拡張」「税制優遇」です。従来まで個人型確定拠出年金は自営業者やフリーランス、企業年金のない企業に勤めているサラリーマンしか加入できませんでしたが、今回の改正では基本的に全ての人が加入対象者になりました。更には公務員、収入のない専業主婦も加入対象者ですので、一定の要件をクリアすれば誰でも加入できる年金に生まれ変わったと解釈しても良いでしょう。

これにより、企業型年金のある会社に転職した場合これまで拠出していた個人型年金の拠出を諦めて(運用は継続できますが在籍中は新規の掛け金の拠出は行えませんでした)いたのですが、比較的柔軟な対応が可能となりました。
また、従来同様拠出額は全額所得控除され運用益は全て非課税ですので節税メリットもある年金です。運用益が非課税になる制度としては「NISA(ニーサ:小額投資非課税制度)」というものがあるのですが、NISAの場合対象期間は5年間と短く老後資金に活用しにくい制度に対しiDeCo(イデコ)は60歳(最長70歳)までの長期にわたって運用できますので、時間をかけてゆっくりと資産形成ができる点も特徴です。

3.iDeCo(イデコ)の申込方法

iDeCo(イデコ)を始めるには、証券会社や銀行に申込を行います。この金融機関は個人に変わって運営管理を行ってくれる機関になります。運営管理費用は証券会社や銀行によって手数料が変わってきます。iDeCo(イデコ)利用に掛かる毎月の手数料は以下の通りです。

A:国民年金基金連合会手数料(共通):103円
B:事務委託金融機関手数料(共通):64円
C:運営管理機関手数料(運営機関で異なる):0円~514円
※全ての機関で加入時に2,777円の手数料(国民年金基金連合会加入一時金)が発生します。
また、手数料の他に金融機関毎に運用で選択できる取扱い金融商品(投資信託等のラインナップ)も異なってくるので単に手数料の安さだけではなく、ご自身のプランに合った商品を取りそろえている金融機関を選ぶことをお勧めいたします。
更に、運用実績の確認や投資商品のバランスを変更する等の操作をネットに接続して管理画面で操作する事が出来る金融機関も多いので、管理画面の使いやすさやコールセンター等のサポート、店頭窓口の有無など普段利用している証券会社や銀行等と同じスタンスで利用できる会社を選ぶこともポイントになります。

4.iDeCo(イデコ)の掛け金について

iDeCo(イデコ)の毎月の掛け金は、5,000円(手数料別)が下限となっています。上限金額は職種や個人によって異なります。

月額で1.2万円~6.8万円が上限になっています。
また掛け金の額は年1回変更可能で手続きをすれば休止もできますが、制度の特徴から考えると毎月負担にならない金額で継続して積み立てる方が長期的に考えると為替や市場の影響を受けにくくなりメリットが出てきますので、ご自身の生活スタイルにあった金額を設定する事をお勧めいたします。

また、掛け金は全額所得控除になりますので掛け金に応じた額が節税する事ができます。年単位では大きな節税にはなりませんが、将来年金を受け取る際の運用益も非課税ですし加入期間は長期にわたりますので最終的には100万円以上の節税効果が望める人もいます(個人属性によって異なります)。

また、運用益は非課税ですが年金受け取り時に「所得」扱いとみなされますので、個人によっては税金がかかる場合があります。税金が掛かる人と掛らないの違いは受け取り時の取扱いで「退職所得控除」を適応するかしないかで変動します。「退職所得控除」は仮に60歳で年金を受け取る場合(一時金扱い)に適応されるのですが、勤務していた会社からも退職金が出た場合同じ枠内での計算になります。
枠の計算としては、「加入年数×40万円(20年以上加入なら超過分は70万円)」と計算されますので、比較的大きな枠がありますので退職金額が相当な高額でない限りは、大キック心配しなくても良いケースが大半だと考えられます。
また、65歳以降で受け取る場合は一時金扱いではなく「年金」扱いとなりますので、公的年金等控除枠の中で計算されるので税負担は軽減されます。

また、受け取り方法は「一時金」と「年金」の併用も可能ですので受給時の状況に合わせて細かく設定する事をお勧めいたします。



5.iDeCo(イデコ)の運用方法

iDeCo(イデコ)は個人の責任において資産を運用するのですが、実際にどの運用商品が良いのか?種類や配分は?等と自己責任で決定すべき事が多いため、現在では「元本保証型」つまり貯金に近い定期預金や保険等の元本保証型の商品を構成比率の大部分を占める様な運用が多く、まだまだ保守的である傾向が強いそうです。
単なる預貯金では、確かに損をする事はないですが老後の資産という目的から考えると将来のインフレ率や諸々の環境変化を考慮した場合、個人的には得策ではないと考えています。ハイリスク型でなくとも多少のリスクを理解した上で保守的な投資信託を中心に運用を行っていけば、将来に備えたリターンも望めるはずです。

では、何故元本保証型の商品を選択する人が多いかというと理由はいくつか考えられます。「金融商品に対する知識が少ない」「老後の資産とイメージし過ぎて保守的になる」「節税メリットだけ享受したい」等々が理由でしょうか。知識が少なく保守的な思考の人は、むしろ様々な優遇もあるiDeCo(イデコ)加入をきっかけに経験値を高めていっては如何でしょうか?「節税メリットだけ享受したい」という方はどの様な理由かというと、既にNISAや通常の取引で金融商品を運用していたり、保険や不動産等で老後に向けた資産運用を行っていて且つ保守的な思考の人が多いです。iDeCo(イデコ)の節税メリットは先ほど少し触れましたがもう少し具体的なお話しをいたします。

一般的なサラリーマン(年収200万~700万程度)を想定して所得税の課税率は

このように10%~20%の割合で課税されます。扶養家族や家族構成等の要因で一律ではありませんが、一般的なサラリーマンの場合の所得税率を20%と想定して、iDeCo(イデコ)に毎月23,000円(企業型確定拠出年金が無い会社のサラリーマンの掛け金上限額)年額
276,000円を掛けた場合、全額が所得税から控除されます。単純計算をすると
276,000円 × 20%(所得税率) = 55,200円(所得税還付額)

実際には住民税と合わせて控除額の計算がされます。住民税を今回は判りやすく10%(一般的な指標で厳密には地域や個人によって異なります)で計算すると

276,000円 × 30%(所得税率+住民税) = 82,800円(所得税還付額)

実際には多少金額は異なりますが、単純計算で毎年82,800円も還付されえるので、この還付金を元本保証型の金融商品の利子と考え、25年運用した場合

82,800円(年間控除額) × 25年 = 2,070,000円

となり、金融商品自体に利子が付かなくとも約200万円の利子が付くと考える人たちもいます。ただし、所得税還付額をベースに考えていますので年収が大幅に減少してたり、病気やケガで就労不能になった場合は還付金も減額若しくは0円となります。運用方針は個人によって異なりますが、加入期間が長ければ長いほど優遇を受けられますのでiDeCo(イデコ)加入時期は早ければ早いほど恩恵を受けられると考えられます。

因みに私の場合は、以下の様な配分で投資をしております。

今年開始したばかりですので、運用利回りは確定しておりませんが、全てリスク型の金融商品です。ただしこれまで実績のある比較的保守的な投資信託と国内株式の割合を高めにしています。商品の比率に関しては良いか悪いのかは判断しかねますが、毎月の掛金を元本保証型の商品にせずリスクを理解してリターンを期待しての割合にしました。
グラフの上段と下段で比率が異なるのは理由があります。後ほどご説明しますが、国内株式が昨今上昇した影響で、価格が上昇した影響です。つまり、国内株式型の商品は調子が良いのです。逆にバランス型はあまり調子が良くない事が伺えます。

では、将来環境や市場の変化により、こちらの割合や投資商品を変更したい場合ですが、iDeCo(イデコ)では、「配分変更」と「スイッチング」という手続きが可能ですので状況に応じた形で都度変更する事で変化に対応できると考えています。

「配分変更」とは、毎月購入する金融商品の種類や割合を変更する手続きです。こちらの変更を行ってもこれまで積み立ててきた商品の割合に変更はありません。ですので、環境変化に応じてこれまで積立てた資産はそのままで、新たに投資する商品を変更する際に行う手続きになります。この様な手続きを都度行う事が大変だと感じる方は、「ターゲットイヤーファンド」(運用期間が短くなるにしたがって運用方針を積極運用から安定運用に変更してくれるファンド)や全てプロにお任せする「バランス型」の投資信託を選択すれば、いちいち自分で割合を変更せずに運用する事も可能です。私も一部は「バランス型」と「ターゲットイヤー型」の商品を選択しています。

「スイッチング」とは、「配分変更」とは異なり、これまで積立ててきた商品を一部清算(売却)して、利益を確定し売却額を新たな商品(一般的には元本保証型の商品)を購入する事で利益を保全する目的で行われます。

「スイッチング」のもう一つの目的は「リバランス」を行う時です。
金融商品は価格が常に変動しますので、例えば国内株式の配分比率を25%、外国株式を75%と設定して運用したとします。その後、国内株式が急騰し外国株式が下落した場合、資産残高は国内株式が増額、外国株式は減額されます。これにより、25:75の比率が変動してしまいます。配分割合を調整するためには国内株式の一部を売却しそのお金で外国株式を購入する事で改めて25:75の割合に調整を行います。金融商品は市況により変化をしますので、その後外国株式が上昇した場合は大きなリターンが期待できます。
既に株式投資を長年経験しいている方には当たり前の手法かもしれませんが、面倒くさがらず年に1回等時期を決めて定期的に運用実績を考察し、運用状況のチェックや見直しを行う事をお勧めいたします。

6.iDeCo(イデコ)のデメリットは?

様々な優遇が受けられるiDeCo(イデコ)ですが、もちろんデメリットもあります。デメリット分を考慮しても私は加入して損のない制度だと考えていますが、これから幾つか考えられるデメリットをご紹介します。

ア)60歳まで資金が引き出せない
年金という特質から、60歳までは資金を引き出すことができません。ですので流動性は減少します。また、万が一の事故等で当人が死亡した場合は個人年金ですので相続人に還元されますが、自由に出し入れできる資産ではないという事を理解しましょう。

イ)元本保証ではない
定期預金等元本保証型の商品が多数選択できますが、例えばスイッチングを行う場合は定期預金の解約になりますのでタイミングによっては中途解約の手数料が発生してしまいます。特に解約をしない場合元本保証されますが、将来の環境変化に応じた柔軟な積み立ては行いにくくなります。

ウ)投資経験が浅い人は運用する商品を決定しにくい
確定拠出年金の運用は自己責任において行います。これまで株などの投資経験がある人は、それなりに知識が蓄積していますが投資経験が浅い人は商品の選択を迷う事でしょう。そのような人の場合はリターン率が低くても安定的に運用できる保守的な投資信託や「バランス型」と呼ばれる商品を選択し、少しずつ知識を蓄えて、将来スイッチングや配分変更を行う事で調整すると良いでしょう。若しくは多少手数料が高くても運用を任せる金融機関を銀行等、窓口を持っている機関で加入を行い担当者と相談しながら配分を決定するのも良いかもしれません。



7.最後に

2017年からスタートしたiDeCo(イデコ)。これまでの個人型確定拠出年金の改正により対象者を大幅拡大しました。更に2018年からは従来のNISA(ニーサ)に加え、年額40万円までの投資枠で非課税となる積立NISAもスタートします。
更に医療分野では、ドラッグストアで購入した薬や医薬品が年間12,000円を超えた分は医療費控除とされる「セルフメディケーション税制」もスタートしました。
この税制は、膨らみに膨らんだ国内の社会福祉保健の負担を軽減する為に、出来るだけ自分自身でケアをして病院に行かないでくださいと間接的に国がお願いしている税制とも考えられます。

年金の優遇(iDeCo)、個人資産形成の奨励(NISA、ジュニアNISA)、医療費負担の軽減(セルフメディケーション税制)、これら制度が次々と登場した背景には何があるのでしょうか?1つだけ言える事は「自分の将来は自分で守る」という事では無いでしょうか?一見、厳しい現実が将来待ち受けているかのように聞こえてしまいますが、環境の変化はチャンスでもあります。これら制度を賢く活用して老後に備え、将来豊かな生活を夢見て今できる小さな1歩を踏み出してみては如何でしょうか?

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